５月１日にシシ渕で滑落事故がありました。

滑落現場（上写真）は、登山道の山側から約２０mにわたり水が染み出し続けており、足元の岩場が常に濡れている場所です。そこで今回の滑落者は足を滑らせ、頭から約３ｍ滑落してしまいました。

中等症の負傷を負われたものの、他の登山者に付き添われ自力で山小屋へ到着しましたが、自力下山は困難であったため、翌日ヘリで病院へ搬送されました。

登山口からシシ渕までは約３時間。苦労して歩き続けた先に、突然現れる素晴らしい景色。心躍り、ついつい足早になってしまします。

しかし、そこに落とし穴があります。実はその前後は非常に危険な箇所が連続します。

シシ渕がちょうど見え始めるあたりから、高度感のある非常に細い道と、谷に向かって滑り台のようになった大きな一枚岩の上を歩かないといけません。更にその先には、先述した今回の滑落現場になった常に濡れ続けている岩場が続きます。

気がはやった状態だとやはり油断してしまうのか、この区間での滑落事故が絶えません。グッと気を引き締めて通過するようにしてください。

最後に、今回、二人の登山者の尽力がありました。事故の第一報をしに山小屋へ駆け付けてくださったK様（三重県津市）。滑落者を介抱し、山小屋まで付き添ってくださったK様（京都府京田辺市）。本当にありがとうございました。