職員の想い「入山協力金について」
2019年10月25日(Fri)
大杉谷入山協力金が10月5日からスタートしました。今シーズンはあくまで試験導入ですが、ようやくここまで辿り着いたなというのが正直な想いです。大杉谷登山センターの職員として、大杉谷入山協力金に対する想いを掲載させていただきます。
入山協力金を導入しようと本格的に動き始めたのは平成28年1月ごろ。調査自体は大杉谷が全線開通になった平成26年から行っていました。
全国的に過疎地の登山道の維持管理については近年課題として取り上げられています。今までは地域の山岳会や登山愛好家の方が無償、もしくはとても安い賃金でボランティアとして、登山道を定期的にパトロールしたり、整備や補修を行っていましたが、高齢化が進み、メンバーが少なくなり、資金が不足し、厳しい状態の地方はたくさんあると思います。
日本山岳遺産基金の記事「どうなる⁉日本の登山道」この記事の中にも
「これまでの登山者は、何もしなくても整備された登山道を歩くことができました。しかし、5年、10年後は、登山者の積極的な協力がないと荒廃してしまう道が増えてゆくでしょう」
と記載されていますが、本当にこの通りだと思います。私たち維持している側と、登山者の方が協力して登山道を残していこうとしなければ荒廃する登山道は増えますし、大杉谷もその可能性があるのです。
大杉谷は、以前は大杉谷山岳会が登山道のパトロールや整備を行っていました。しかし、平成16年の災害で10年間登山道が閉鎖している間に、高齢化により山岳会は解散。その後、大杉谷登山センターとして職員1名を置いて、管理するようになりました。
もちろん職員1名では到底間に合わないので、地元のガイドさんや警察、消防などの関係機関の方々、大杉谷ファンのボランティアの皆様にもお手伝いいただき、なんとか維持してきました。しかし、やはり登山道を維持していくためには、人もお金もかかります。私は大杉谷の一ファンとして、大杉谷を今後も残していくために協力金を導入することを決断しました。今、来ていただいている登山者の方には負担になってしまうため大変申し訳ないですが、ご理解いただければ幸いです。
昔から支えてくださった大杉谷ファンの方、新しく大杉谷の魅力に憑りつかれた方には思う存分に通っていただきたいという思いから、1シーズン1000円とシーズン料金にしています。春、夏、秋とそれぞれに違う良さがあり、川の流れや滝、葉っぱの色や花の種類、鳥の音色など、いつ行っても違う表情を見せてくれます。1回来て終わりではなく、大杉谷の魅力を最大限に満喫していただければ幸いです。
あくまで協力金ですので、強制的に徴収するようなことはしません。私たちは登山者の方の想いに委ねています。もし、多くの協力金が集まったならば、大杉谷を今後も残していきたいという皆様の声だと受け止め、これまで以上に登山道の整備、施設維持、自然環境の保護、その他アンケートで頂いている声を参考に幅を広げて活動させていただきたいと思います。
登山に来られる方の中には、入山協力金の説明などの声をかけてほしくない方もいるかもしれませんが、このような取り組みを行っているという広報活動として、説明をさせていただく場合があります。ご理解、ご協力をお願い致します。
今シーズンも残り1か月となりました。大杉谷で皆様のお越しをお待ちしております。
大杉谷登山センター 蕨野祐樹
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