７月中、大台ケ原周遊予定だった方が、大杉谷へ下って遭難するケースが相次ぎました。

中でも重大なケースになり得たものを紹介します。

【ケース１】

登山経験不明、革靴。エコバックにレジャーシート、お弁当におやつ。完全にピクニックスタイル。

大台ヶ原駐車場から日出ヶ岳で昼食後に帰る予定が、周遊コースと間違えて大杉谷方面へ下る。そのまま大台林道まで下り、このまま歩いていれば大台ヶ原に戻れると信じて林道を進んだ。

桃の木山の家への縦道で「桃の木あと２km」の看板を見て小屋を目指すも夜になり、大雨の中を野宿。

翌日、桃の木に辿り着いて１泊し、来た道を戻る途中で幸運にも粟谷小屋スタッフの車に遭遇。粟谷小屋へ車で向かい、昼休憩して大台ケ原へ出発、駐車場へ無事に戻った。

【ケース２】

登山経験なし、荷物なし。完全にコンビニスタイル。

日出ヶ岳から大台ケ原駐車場に戻る道以外に、道があるとは思わなかった。

大杉谷方面への注意看板は何故か目には入っていなかったが、「登山口」と書いてあるのは何かで見たそう。

「登山口」というのは自分が駐車場から来た道の入口の事と思い込み、大杉谷方面へ下る。木の階段が来た時より短かったとは感じたが、駐車場から来た道を戻ってると思って進んでしまった。

疲労困憊の中、堂倉避難小屋付近で、粟谷小屋に宿泊予定の登山者に発見された。

発見時点で足元はおぼつかない様子だった。持病（糖尿病）があるにもかかわらず常備薬を携行していなかった為、歩いて戻ることは困難と判断。粟谷小屋スタッフにより車で大台林道で下山し、熊野方面より迂回して駐車場へ戻った。

上記２ケースともに、変だと気付いても戻ろうとしなかった上に、何の準備もせず、思い込みだけで行動されているように見受けられます。

はっきり言って、助かったのはたまたま運が良かっただけです。

他にも、大蛇嵓へ行く道だと何故か思い込み、下ってきた方も数名おられました。

日出ヶ岳山頂より大杉谷方面へ向かう道には、写真のように注意看板を設置しています。

この看板を見て「ちょっと行ってみようかな～」なんて絶対に思わないでください。準備と計画をしっかりして出直して来てください。

また、大台ケ原はしっかり整備されているとはいえ、一歩間違えれば大杉谷を含め、深い谷へ迷い込んでしまう場所ばかりです。ハイキングと言えども周囲は厳しい自然に囲まれていることを忘れないでください。

しっかりと準備と計画をして、安全に山を楽しみましょう。

大台ケ原については下記リンク先をご覧ください。

吉野熊野国立公園 大台ケ原

上北山村観光情報